歴史・文化
帯笑園
静岡県沼津市原194-1帯笑園は江戸時代から昭和初期まで、原の植松家が伝えてきた東海道を代表する名園です。盆栽や鉢植えの花や植物であふれる園芸植物のコレクションで名高い庭でした。1800年頃、植松家の6代当主は円山応挙(まるやまおうきょ)をはじめとする京の画家や学者たちと親交を結び、多くの書画を集めました。また園を訪れた人々が記した芳名帳や書画の記録が現在も多く残っており、芸術家や書家をはじめ、将軍や大名・貴族が訪れ、そして明治期には皇族の来園があったことがわかります。オランダの医師シーボルトも訪れ、庭の美しさと植物の豊富さに感嘆したとの記録を自身の著書に記してあります。帯笑園は、往時の3分の1ほどの広さになってしまいましたが、庭の中心部は残り、また詳細な絵図面や草花の栽培記録等が保管されています。当時の人々にとって、庭が草花の鑑賞だけでなく、文化・文芸の交流の場となっていたことがわかる歴史的価値も高い貴重な庭園です。平成24年9月には国の登録記念物として登録されました。