北條寺
伊豆の国市南江間862-1北条義時夫妻の墓所 ロウバイと白いヒガンバナの名所
臨済宗建長寺派の寺院。鎌倉幕府成立の功労者である北条義時が創建しました。北条義時は北条時政の次男で北条政子の弟にあたり、当地伊豆国江間村(現在の伊豆の国市江間)の出身で、少年時代は”江間小四郎”と名乗りました。源頼朝の挙兵以来、源氏方の将として従軍し頼朝を支えます。鎌倉幕府が成立し第3代将軍実朝が不慮の事故により死去すると、義時は京にいた頼朝の親類を4代将軍に据え、自身は執権となって鎌倉幕府の指揮を執りました。しかしその後、承久の乱を鎮圧した3年後の1224年(元仁元年)に急死してしまいます。62歳でした。境内にある小高い山の上には北条義時と妻・佐伯氏娘の墓があります。
北条寺は多くの登録文化財を保有しています。本尊・阿弥陀如来座像は鎌倉時代の慶派仏師の作で国指定重要美術品に指定されています。南北朝時代に造られた観世音菩薩座像は県指定文化財で、中国・宋時代の特徴を持った優美な像です。同じく県指定文化財である牡丹鳥獣文繍帳は、800年以上前に中国で作られ、北条政子によって北条寺に奉納されたと伝わるもの。当時の中国の刺繍技術が詰まった、珍しい作品です。(仏像と文繍帳は個人の場合通常非公開。団体は要相談)
また、季節ごと様々な花が咲く花の寺としても知られ、1~2月はロウバイ、6月はシナボダイジュ、5・9月には白いヒガンバナが境内を彩ります。