正しく知って楽しく遊ぶ 海辺の安全対策特集!

正しく知って楽しく遊ぶ 海辺の安全対策特集!

全長300㎞を超える海岸線を有する伊豆半島は海水浴や釣り等、マリンレジャーのメッカです。

伊豆半島の透き通った海と白い砂浜、本州とは思えない雄大な自然景観は、日ごろのストレスを忘れさせてくれます。

しかし大自然のなかだからこそ、様々な危険が存在していることも事実であり、遊ぶ際には自ら自分の命を守ること(セルフレスキュー)が基本となります。

今回はマリンレジャー(海水浴・釣り等)を楽しむための安全対策についてご紹介します。

協力:下田海上保安部、特定非営利活動法人下田ライフセービングクラブ

 

海の事故発生状況

こんなに起きてる海の事故

上のグラフは、2019年~2022年の間に下田海上保安部の管轄海域(伊豆諸島を除く伊豆半島周辺)で発生したマリンレジャー中の遭難者数を示しています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う行動制限により、2020・2021年は件数が減少しましたが、行動制限がなくなった2022年は件数が急増しています。レジャー種別ごとの割合は、2022年では遊泳中が約41%で最も高く、次いでサーフィン中の23%となっています。

【事故の例】
・釣り人の海中転落事故(下田海上保安部HPより
南伊豆町において、釣り人が一発大波に呑まれ、海中に転落し沖合に漂流する事故が発生。事故者は救命胴衣を着用しており、同行者により速やかに救助機関へ通報できたこともあって、海上保安庁ヘリコプターに救助されました。当日は台風の影響により波浪注意報が発令されていました。
・サーファー漂流事故(下田海上保安部HPより
下田市において、サーファーが風で沖に流され、海岸に戻れなくなる事故が発生。事故者は約2時間漂流しましたが、幸いにも1.5㎞南の海岸にたどり着きました。当日は10m以上の風が吹いており、強風・波浪注意報が発令されていました。

 

出掛ける前の確認事項

天気予報は必ずチェック

お出掛け前には必ず天気予報を確認するようにしましょう。

降水確率だけではなく、風向きや風の強さ、波の高さもしっかり確認することが重要です。特に台風が太平洋上にある場合は、遠く離れていたとしてもうねりが押し寄せてくることがあるので要注意です。

悪天候が予想される場合は無理をせず、延期や行先の変更を検討するようにしましょう。

【遊泳中の遭難原因は強風によるものが多い】
陸から海に向かって吹く風のことをオフショア(陸風)と呼びます。浮き輪やビニールボートなど水に浮いている物は風の影響を受けやすく、オフショアが強いとちょっとした隙に流されてしまう場合があるので注意が必要です。また強風に向かって泳ぐのは成人であっても大変困難であり、ライフセーバーによる救助ケースのなかでも、強風が原因のものは上位に入ります。

海の安全情報(海上保安庁)では、伊豆半島周辺(石廊埼灯台・神子元島灯台・伊豆大島灯台など)の風向きや風速、警報・注意報の発令状況をほぼリアルタイムで確認することができます。

【波の高さは一定ではない】
天気予報における波の高さは、多くの場合「有義波高(ゆうぎはこう)」と呼ばれるもので、観測結果を統計的に平均化した数値です。実際の海面には大小さまざまな高さの波が存在し、1000波(2~3時間)に1波は予報の2倍近い高波が発生する場合があると言われています。また複数の大波が偶然山(または谷)同士で重なると、「三角波」や「一発大波」などと呼ばれる巨大波が発生します。
第三管区海上保安本部HPでは一発大波に関する注意点や動画が公開されていますので、是非ご覧ください。

 

潮汐(潮の満ち引き)情報の確認も忘れずに

海には潮の満ち引きが存在します。干潮時には歩いて渡ることができた岩場であっても満潮時には歩いて帰ることができなくなり、事故につながる場合もあります。事前に満潮時刻と干潮時刻、それぞれの潮位を確認するようにしましょう。

 

潮の満ち引きに関する情報は「海上保安庁 三管区潮汐カレンダー」や「気象庁 潮位表」をご確認ください。

【満潮時・干潮時の水位は日によって異なる】
潮の動きには日単位での周期(満潮・干潮)と月齢での周期(大潮・小潮など)があります。干満差の大きい大潮の日と干満差の小さい小潮の日では、満潮(干潮)時の水位(潮位)は大きく異なります。大潮の日(満月・新月の周辺)は特に注意が必要です。

 

海に着いたら確認すること

現地での情報確認

海岸へ到着すると、風(向き・強さ)や波の高さが天気予報と異なっているということもあります。天候は常に変化するため、管理者の指示や海水浴場に設置されている各種情報(旗・掲示板など)を確認し、それらに従うようにしましょう。

 

遊泳条件フラッグ
海水浴場にはその日の遊泳条件を示す旗が掲げられていることが多いので、遊泳前に確認しましょう。青色や白色、緑色の旗は海が比較的安全な状態であることを示しています(遊泳可能時には旗が掲揚されない場合もあります)。赤色(遊泳禁止)黄色(遊泳注意)の旗は海が危険な状態であることを示しています。特に赤色の旗(遊泳禁止)が掲揚されている場合は、海に入らないようにしましょう。

 

遊泳エリアの確認

海水浴場には遊泳区間を示すブイロープが設置されています。遊泳区域外では船舶との接触などの事故が発生する危険があるため、遊泳しないようにしましょう。またライフセーバーが常駐している海水浴場では、ライフセーバーがその日の状況を判断し、安全な水域を示すエリアフラッグ(赤と黄色のツートンカラー)を2か所に立てていますので、その旗と旗の間で泳ぐようにしましょう。サインフラッグについての詳細は、日本ライフセービング協会HP「サインフラッグを知っていますか?」をご覧ください。
津波避難場所の確認
津波標識をみて、津波が起きた際の避難場所や避難経路をあらかじめ確認しておきましょう。
注意が必要な場所など
突堤や沖防波堤などの構造物、隣接する岩場(磯)付近は離岸流や複雑な流れが発生しやすく、岸壁や岩に付着した貝類でけがをする恐れがあります。また川と海の流れがぶつかる河口周辺は複雑で強い流れや大波が発生しやすいことに加え、流れによって海底が削られて周辺よりも深くなっている場合もあり危険です。
離岸流(リップカレント)
沿岸に打ち寄せた波(流れ)が沖に戻る際にできる流れは離岸流(リップカレント)と呼ばれ、ときに非常に速い流れ(秒速2m以上)が発生することもあります。離岸流は海水浴場における溺水事故の原因の60%を占めるともいわれており、遊泳時には十分に注意する必要があります。

【離岸流が発生している場所の特徴】
・周囲に比べて穏やかなように見える(波が砕けていない)
・周囲と海の色が異なる(流れによって砂が巻き上げられ海水が濁っている)
・泡やゴミが沖に向かって流れている
・波が穏やかなときでも波紋が現れる
※詳細は日本ライフセービング協会HP「リップカレント(離岸流)に気をつけよう」(離岸流実験の動画もあります)をご覧ください。

離岸流に関する動画(第4管区海上保安本部)

海辺で過ごす際の注意点

熱中症や脱水症にご用心

海水浴場は日影が少なく、強い日差しや紫外線を浴びることが多くなります。熱中症・脱水症予防のためにも帽子の着用やこまめな水分および塩分の補給を心がけるとともに、長時間直接日光に当たらないように注意しましょう。

また海面や砂浜からの照り返しにより、海では日やけをしやすくなるといわれています。過度な日やけは痛みを伴い、症状によっては医療機関への受診が必要となることもあります。日本ライフセービング協会HP「日やけ対策を考えよう」では、日やけ対策について詳しく解説していますので是非ご覧ください。

 

海辺の危険生物

相模灘と駿河湾、そして太平洋に面し、黒潮の影響も受ける伊豆半島の海には多彩な生き物が生息しています。伊豆の海の豊かさを示している反面、中には鋭い歯や毒をもったものもおり、知らずに触ると刺されて強い痛みを引き起こしたり、怪我をしたりする危険があります。釣りなどで魚に触れる際は、タオルやフィッシュグリップを用いるようにして、基本的に素手で触れないようにしましょう。

毒魚(ヒレやトゲに毒を持つ魚)の毒は魚が死んでも失われないため、海岸に落ちている死骸にも触れないよう注意が必要です。

静岡県水産・海洋技術研究所 伊豆分場HPでは磯に生息する危険生物について画像付きで解説していますので、是非ご覧ください。

【それ、クラゲじゃなくてゾエア(ちんくい虫)かも】
海水浴中に、あるいは海から上がってから、身体がチクチクしたり赤く腫れてかゆみが出てくることがあります。クラゲに刺されたという場合もありますが、もしかしたらゾエア(ちんくい虫)の仕業かもしれません。
ゾエアはカニやエビの幼生(プランクトンの一種)で、体長は数㎜程度。自ら遊泳する能力はなく、流れに乗って海中を漂っています。毒はありませんが、刺毛が皮膚に刺さることによりアレルギー反応を引き起こすことで腫れやかゆみが生じます。
ゾエアに刺された際には患部を洗い流し、着用していた水着も洗うようにしましょう(水着のなかにゾエアが残っている場合があるため)。症状は自然治癒することが多いですが、治まらない場合は医療機関への受診も検討しましょう。

※ゾエアはしらす干しに混入していることもあるため、もしかしたらどこかでご覧になったことがあるかもしれません。

 

ライフジャケット(救命胴衣)、正しく着用できていますか?

落水時に浮力を確保してくれるライフジャケットは釣りの際の基本装備です。ライフジャケットを着用することで、海中転落時の生存率は2倍以上になるともいわれています。

そんな頼りになるライフジャケットですが、正しく着用しないと落水の衝撃で脱げてしまうなど、いざというときに本来の力を発揮しません。

【ライフジャケット着用時のチェック事項】
固定式(浮力材入り)
✅笛(ホイッスル)は付いていますか?
✅ファスナーはしっかり閉まっていますか?
✅締具(胴部や肩ベルト)は身体にフィットするように調整されていますか?
✅股ベルトはしっかり付けていますか(股ベルトに足を通していますか)?
膨張式(首掛け式、サスペンダータイプ、腰巻き式)
✅ボンベはしっかりと付いていますか?
✅笛(ホイッスル)は付いていますか?
✅一度膨らんでいませんか(ボンベが空になっていませんか)?
✅バックルはしっかり閉まっていますか?
✅締具(胴部)は身体にフィットするように調整されていますか?
✅部品の使用期限は切れていませんか?

Water Safety Guide(海上保安庁HP)では、ライフジャケットの正しい着用方法等が詳しく説明されていますので、是非ご確認ください。

海に入る前の心構え

体調は万全ですか?

長時間の運転による疲労や寝不足などによって、体力や判断力が低下した状態での遊泳は思わぬ事故につながります。海に入る前に自らの体調が万全か、しっかり確認しましょう。

また遊泳時は普段使わない筋肉を使うため、足を攣ったり痙攣を起こしたりすることがあります。準備運動は念入りに行うようにしましょう。

 

飲酒をしたら泳がない

強い日差しを浴びることが多い海岸では、発汗により体内から多くの水分が失われるため、飲酒によりアルコール血中濃度が上昇しやすく、普段よりも酔いやすくなります。

飲酒により判断力や注意力、運動能力が低下した状態での遊泳は、溺れやすくなるだけではなく、溺れた際の死亡率も高くなり大変危険なので、お酒を飲んだ後には海に入らないようにしましょう。

日本ライフセービング協会HP「飲んだら泳がない」では、医師による解説動画を公開していますので、是非ご覧ください。

 

もしもの場合の対応

助けてサイン(ヘルプ・シグナル)

片手を左右に大きく振って救助を求める合図のことを「助けてサイン(ヘルプ・シグナル)」と呼びます。このサインによって、遊泳者の多い海水浴場であってもライフセーバー等が速やかに水難者を確認することができ、迅速な救助につながります。

溺れてからサインを出すことは困難です。離岸流や風によって沖に流されてしまったり、体力の消耗により沖から戻れなくなってしまったりした場合や水難者を発見した場合は、早めにサインを出すようにしましょう。

日本ライフセービング協会HP「助けてサインを知っていますか?」

 

海に落ちたら「浮いて待て」

ライフジャケットを着用していない状態で落水した場合は、泳ぐのではなく、とにかく浮くようにしましょう。浮くことにより呼吸が可能となり、落ち着いて周囲の状況を確認することができることから次の行動につながりやすくなります。

【浮いて待つためのポイント】
・落ち着いて体の力を抜く。
・息を吐くのを我慢する。
・背浮きになる(この時、耳は水につける)。
・あごを上げ、手足を大の字にする(姿勢を安定させるため)。

日本ライフセービング協会HP「e-Lifesaving(助かる方法)」では、落水時の浮き方(着衣を利用した浮力確保等)が動画で紹介されています。

 

落水者や溺れた人を発見したら(まずは助けを求めましょう)

海水浴場で溺れた人を見たときは、海水浴場の監視員やライフセーバー、まわりの人などに助けを求めましょう。遊泳中の場合は、「助けてサイン(片手を左右に大きく振る)」で救助を求めましょう。

防波堤や岩場(磯)など、海水浴場以外の場所の場合は、緊急通報用電話番号の118番(海上保安庁)、110番(警察)、119番(消防)に救助を求めましょう。

【通報時に伝えるべきこと】
①どのような事故か(堤防からの落水、転倒による受傷 等)
②事故の場所(市町村名、○○漁港、××岬周辺の岩場 等)
③事故者の人数
④通報者の名前と連絡先

 

落水者や溺れた人の救助(自分の安全を第一に)

落水者や溺れた人を助けるために、水に入るのは危険です。要救助者を見失わないように声をかけながら見張りをしつつ、自分の安全を優先したうえで、道具を使うなどして助けましょう。

また、ひとりで助けようとするのではなく、まわりの人にも助けを求めましょう。

 

【身近なもので浮力を確保】
ライフジャケット等を着用していない落水者や溺れている人へは身の回りの浮く物を投げ入れて浮力を確保しましょう。
・大きめのペットボトルやサッカーボール、クーラーボックス等でも十分な浮力が確保できます。
※ペットボトルを投げ入れる際は、投げやすくするため少量の水や砂を入れ、キャップを閉めるようにしましょう。
※ロープを結び付ける際には、しっかりと緩まないようにすることが重要です。結び方(巻き結び・もやい結び等)にこだわらず、一番自信が持てる方法で結ぶようにしましょう。

日本ライフセービング協会HP「e-Lifesaving(助ける方法)」では、落水者の救助方法(物の投げ入れ、ロープの投げ入れ等)が動画で説明されています。

 

クラゲや毒魚に刺されたら

クラゲや毒魚に刺された場合、トゲや触手が残っているのであれば可能な範囲で取り除くようにして、患部を洗い(毒魚は真水・クラゲはきれいな海水)、速やかに病院で処置を受けることをおすすめします。

※トゲや触手を取り除く際は、素手ではなく、ピンセット等を用いるようにしましょう。

クラゲに刺された場合は「海水(塩水)」で患部を洗うようにしましょう。真水で洗うと浸透圧により刺胞が活性化して症状が悪化する場合があります。

【海水浴でも役立つ使い捨てカイロ】
魚類の刺毒の多くは熱に弱いため、患部に火傷しない程度のお湯をかけることにより痛みを緩和することができるといわれています。海でお湯を用意するのは難しいですが、使い捨てカイロで代用することもできるので、荷物に加えてみてはいかがでしょうか。
日本ライフセービング協会HP「クラゲにさされたら」では、クラゲに刺された際の対処法が解説されていますので、是非ご覧ください。

 

津波(警報・注意報)が発生、発令されたら

Jアラートや防災無線などにより、正確な情報を入手し、速やかに津波避難場所や高台へ避難しましょう。津波の速さは水深10mで時速約40㎞とされ、津波を目視してから逃げても間に合いません。

【津波フラッグについて】
聴覚障碍者の方や遊泳中で音が聞き取りづらい方が津波警報等の発令を視覚的に認知することができるよう、全国の海水浴場などで「津波フラッグ」の導入する取り組みが始まっています。津波フラッグが掲揚されたら速やかに非難を開始しましょう。

日本ライフセービング協会HP「津波が来たらどうする?」もご覧ください。

 

伊豆の海を守る”下田海上保安部”

今回ご協力いただいた下田海上保安部は第三管区海上保安本部管轄下の海上保安部の一つであり、伊豆半島(北西部を除く)と東京都の伊豆諸島(大島支庁、三宅支庁、八丈支庁)を管轄し、三都県(千葉県、静岡県、東京都)沖合の東西192海里、南北175海里の広大な海域を担当水域としています。

下田市内にある事務所には、総務や広報等を担当する「管理課」や海上警備や取締まり等を担当する「警備救難課」、灯台の保守整備や海上交通情報の提供等を担当する「交通課」があるほか、伊東マリンタウン内に海浜事故対応を中心とした警備救難課の業務全般を担当する「伊東事務室」があります。

巡視船”しきね”、”かの”、巡視艇”いずなみ”が所属し、伊豆の海の安全を守っています。

【下田海上保安部の日常業務】
下田海上保安部交通課では、海難事故の未然防止のため、管轄内のダイビングショップ等への注意喚起や灯台等の航路標識(全65基)の保守点検を行っています。
下田海上保安部HPでは、事故情報や安全情報が公開されていますので、是非ご覧ください。

 

ライフセーバーの活動

(サーフ)ライフセービングとは水辺の事故をなくすことを目的とした活動であり、ライフセービング活動に携わる方々をライフセーバーと呼びます(狭義ではライフセーバー資格を取得したものを指します)。

今回ご協力いただいた特定非営利活動法人下田ライフセービングクラブは1977年に発足した「日本サーフライフセービング協会」を前身とし、日本のライフセービングの発展の中心的役割を果たしてきました。

7月から8月にかけて海水浴場やプールでの監視・救助活動を行っています。また事故を未然に防ぐため安全な遊泳エリアの設定、遊泳とサーフエリアの区別、的確な遊泳条件の設定、看板や放送による海の状況案内、迷子の保護、津波サインの啓発等の活動を行っています。

特定非営利活動法人 下田ライフセービングクラブHP

公益財団法人 日本ライフセービング協会HP

 

さいごに

海でのレジャーは多くの感動や癒しをもたらしますが、常に危険と隣り合わせです。

安全対策には十分にご留意いただき、伊豆半島の海でたくさんの素敵な思い出を作ってください。

 

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