01 伊豆温泉紀行
~温泉ライターが巡る名湯と海一望の露天風呂~

伊豆半島の温泉はいずれも名湯ぞろい。歴史を感じる文化財の浴室から海の絶景を楽しめる温泉まで、今回はその中から10ヶ所をご紹介したいと思います。

ONSEN 01 熱海温泉

伊豆の玄関口である熱海は首都圏からのアクセスも良く、若いお客さんにも人気です。泉質は塩化物泉が多く、硫酸塩泉もあります。

オーシャンスパ Fuua(フーア)

熱海駅からは少し離れていますが、駅前から無料シャトルバスが出ています。

最初に入ったのはインフィニティ風呂の「露天立ち湯」。これがもう本当に絶景でした。湯舟と海が一体になって、まるで自分が天空に浮きつつ海にいるような不思議な感覚。

そして「かけ流し露天湯」もあり、濃い塩化物泉がしっかり温めて保湿もしてくれるのです。

湯上りはお洒落なオーシャンラウンジでくつろげて最高!

ONSEN 02 伊東温泉

実は温泉湧出量が日本3位という伊東温泉。旅館やホテルだけでなく、観光客も250円で利用できる共同浴場が10ヶ所もあることが魅力です。泉質は単純泉が多く、一部塩化物泉や硫酸塩泉もあります。

陽気館

お風呂まで登山電車で上ると聞いてびっくりです。まるで遊園地みたい。自分でボタンを押して約30mの斜面をゴトゴト上って行くと気分も盛り上がります。

到着した高台の露天風呂からは伊東市内が一望!遠く青い水平線。混浴ですが宿泊すれば女性専用タイムもありますよ。

お湯は苦みの強い塩化物泉で、肌触りもすべすべ。非加水の源泉かけ流しが自慢です。

館内にはぬるめ単純泉の内湯もあり、こちらはホッと寛ぐ浴感。冬は温度を上げるために露天風呂の源泉を少し追加しているそうです。

共同浴場

伊東の温泉で忘れてはいけないのは地元の生活に根差している共同浴場。常連さんの優しさや、カランから温泉が出ることにも感動しました。

東海館

また「東海館」にもぜひ足を運んでみてください。ここは昭和3年建築の元温泉旅館で、現在は宿泊できませんが館内が見学できます。土日祝日にはお風呂にも入れます。

ONSEN 03 伊豆北川温泉

黒根岩風呂

東海岸に点在する温泉地の1つ、伊豆北川温泉には「黒根岩風呂」という絶景露天風呂があります。

昔は混浴でしたが今は男女別。男湯はワイルドな岩風呂で、女湯は洒落た円形のお風呂です。

泉質は塩化物泉で波が目の前に打ち寄せる景観が迫力!男湯の岩に「アメリカを見ながら入る野天風呂」とペンキで書かれていますが、目の前に見えるのは伊豆大島でした。

番外編 EAST DOCK

温泉じゃないのですが、番外編として稲取にあるシェアスペース「EAST DOCK」を紹介します。
ここは伊豆で温泉巡りをしたいけど、仕事をする場所もほしいという方にぴったり。シェアオフィス、会議室、イベントスペースをお探しの方はぜひチェックしてください。

ONSEN 04 今井浜温泉

舟戸の番屋

今井浜の「舟戸の番屋」も海一望の絶景露天風呂。泉質は単純泉で、開放感はばつぐんです。
なお男湯はさらに絶景らしいです。

ONSEN 05 下田温泉

ペリーが来航した下田は、ビーチや歴史だけでなく温泉も魅力があります。泉質は主に単純泉。

千人風呂 金谷旅館

金谷旅館のような古い木造建築にはロマンを感じます。温泉は自家源泉2本をふんだんに使っていて、女湯の浴室も広々としていました。

▲ 女湯脱衣所から千人風呂に入るためのドア

そしてこの旅館の名物はなんといっても混浴の千人風呂。女性は女湯脱衣所から移動できます。

私も入りましたが歴史を感じる総ヒノキの浴室には独特の美と迫力があります。お湯はすべすべする感触が強く柔らかな印象。時間を忘れそうになる温泉でした。

ONSEN 06 下賀茂温泉

至るところで湯けむりが立ち登る風景が見られる下賀茂温泉、泉質は主に塩化物泉です。

ホテル河内屋

▲ 入浴しているのはモデルさんです

ホテル河内屋では自家源泉を贅沢にかけ流し。湯けむりが勢いよく上るのは、高温の温泉が湧いているということですが、このお宿はエコロジーな湯雨竹(ゆめたけ)というシステムで、加水をせずにお湯の温度を調節。拘りを感じます。

ONSEN 07 観音温泉

観音温泉

観音温泉は伊豆半島屈指の高アルカリを誇る自家源泉の一軒宿。飲用できる温泉の販売も行っていて、地元ではCMが流れていて知らない人はいないとか。

温泉は本当にぬるんぬるんしてお肌のクレンジング効果絶大。入浴後はしっかり保湿することでピカピカ美肌になれそうです。

そして湯上りの水分補給はもちろん源泉で!観音様のご利益があるかも。

ONSEN 08 大滝(おおだる)温泉

天城荘

大滝温泉天城荘も一軒宿。泉質は単純泉で、湯巡りできるお風呂いっぱいのお宿です。

特に有名なのが30mの落差を誇る大滝が見える露天風呂。とてもワイルドでとても楽しい。

外湯エリアは水着着用ですから家族やカップルで楽しむのにもってこい。水着で遊んでいる間にお肌がつるつるになるなんて最高じゃないですか?

ONSEN 09 天城湯ヶ島温泉郷

川端康成が伊豆の踊子を執筆した湯本館をはじめ、ツウ好みの良質な宿が点在する天城湯ヶ島温泉郷。泉質は単純泉や硫酸塩泉です。

テルメいづみ園

ここはなめらかな硫酸塩泉を源泉かけ流しにしている日帰り温泉。51度の自家源泉を加水も加温もせず、タンクを経由してそのまま湯舟へ注いでいるそう。

▲ 男湯の露天風呂はさらに開放感が

自然豊かな環境にある露天風呂も癒されます。リピーターが多いというのも納得!

ONSEN 10 修善寺温泉

最後にご紹介するのは、伊豆半島で最も古い歴史を持つとされる修善寺温泉。泉質は単純泉で、車、鉄道だけでなく、新宿から直行バスが出ているのも魅力です。

新井旅館

国の登録有形文化財の宿で、古さと磨き上げた新しさを融合させている所に美学を感じます。

そして浴室は荘厳さを感じる「天平大浴堂」。天井を支える太い柱は今ではもう手に入らない貴重な檜の巨木。

ふと気づくと、ガラス越しに池の鯉が近づいてくるではありませんか。芥川龍之介が逗留時に、ここは水族館のようだと手紙に残したそうですよ。

独鈷の湯

修善寺発祥の湯と伝わる「独鈷の湯」を紹介して今回の記事を〆たいと思います。残念ながら現在は入浴できませんが、ここから伊豆の温泉の歴史が始まったと思うと感慨深いものがありました。

伊豆には本当に素晴らしい温泉がたくさん湧いています。今回ご紹介したのはほんの一部に過ぎません。続きはまたの機会に。

ライター

泉 よしか

温泉ソムリエマスター、温泉観光実践士

温泉を中心に女子目線でおすすめスポットを紹介いたします。キレイ系温泉から歴史ある温泉街、マニアックな秘湯まで守備範囲。いろいろな人に来てほしいと思っている温泉と、次のお休みでどこに行こうか迷っている旅行者を結びたい。あなたの旅のきっかけになれますように。

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