02 伊豆温泉紀行~森川ユカさんと行く西伊豆の名湯と絶景露天風呂~
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西伊豆はのどかで鄙びた風情が残された穴場の温泉も多いエリア。泉質的には硫酸塩泉、単純泉、塩化物泉が多く、ほとんど無色透明で保湿や保温の働きに優れています。
なにより海一望の絶景や駿河湾越しの富士山、堂ヶ島のトンボロといった絶景を楽しめる露天風呂がいっぱい。今回はそんな西伊豆の温泉を、モデルの森川ユカさんと一緒に旅してきました。
ONSEN 01 戸田温泉
沼津市の戸田(へだ)温泉は昭和に入ってから湧いた比較的新しい温泉で、泉質はナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物泉など。
海のほてる いさば
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戸田の海に面した高台に建つ「海のほてる いさば」には、まさに西伊豆のロケーションを代表するような開放感抜群の露天風呂があります。
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遮るもののない開放感あふれる景色を森川さんもとても気に入ったみたい。ユーモラスな湯口も可愛らしい。
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今回は利用していませんが、このお宿には海だけでなく富士山も一望できる貸切風呂があるんですよ。湯上りはテラスラウンジで一休み。天気が良ければこのテラスからも富士山や南アルプスが臨めるそう!
壱の湯
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もう一か所、戸田温泉で立ち寄ったのは道の駅くるら戸田に併設された日帰り温泉「壱の湯」。
道の駅なので気軽に立ち寄れます。しかもワンコインで入浴できて、なんと露天風呂まであるんですよ!
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お湯は非加水非加熱の掛け流しで、自然のままの温度なので季節によって少し熱かったりするそうですが、それもまた醍醐味。森川さんも湯上りのサラサラとした極上の肌触りにご満悦。
ONSEN 02 大沢里温泉
やまびこ荘
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ここからは西海岸をぐっと南下し、さらに海を離れて内陸へ。西伊豆町大沢里(おおそうり)祢宜ノ畑(ねぎのはた)に建つ「やまびこ荘」は、元小学校の建物を利用した変わり種の温泉宿。
西伊豆の温泉といえば海と海鮮というイメージですが、ここは山の中。しかし有り余る豊富な源泉をプールに入れてみたところ、これが面白いと大評判に!元小学校だったからこそできたユニークなエピソードです。
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泊まるお部屋も教室で、夕食の時間には給食のチャイムが鳴ります。子連れで来てもとても楽しいところですが、大人もノスタルジーを感じてワクワクしちゃいますね。
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そして温泉も素晴らしいのです。泉質はカルシウム・ナトリウム―硫酸塩泉。とろみを感じるぬるめのお湯はとても優しい肌触り。なんとシャワーから出てくるお湯も温泉です。湯上りの肌はつるつるサラサラに。
取材時は冬だったのでお風呂は少し加温していましたが、温かくなれば加温しない、より自然のままの温泉に入れます。夏には温泉のプールが利用できるので、季節を変えて再訪したいところです。
番外編 河津屋食堂
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湯巡りの途中で立ち寄ったランチスポットもちょっと紹介しましょう。西伊豆町の「河津屋食堂」は、庶民的な食堂で大盛りメニューがあることでも知られています。
おすすめメニューは「海賊焼き」「塩かつおうどん」「ミニ肉丼」の3皿が食べられる「ご当地グルメ食べ比べコース」。特に甘辛タレが染み込んだ「肉丼」が絶品。
また潮の香りがたまらない黒麺の「地のりラーメン」も、おすすめ。海苔たっぷりで麺が見えないほどでした!
ONSEN 03 雲見温泉
渚の足湯
再び海沿いに戻り、さらに少し南下します。行先は釣り、海水浴、ダイビングなどのお客さんが多い雲見温泉。
泉質はカルシウム・ナトリウム―塩化物温泉で、特筆すべきは高張性(濃い温泉)であること。海水のようにしょっぱく苦く、とてもよく温まります。
雲見温泉にはこのお湯を絶景と一緒に無料で楽しめる「渚の足湯」という足湯があるんです。晴れていれば駿河湾越しに富士山が見える日も!むろん富士山まで見えなかったとしても、海一望の開放感は間違いありません。
幸いにもお天気に恵まれて、森川さんもこの景色には感激してくれました。
ONSEN 04 大沢温泉
依田の庄
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江戸中期から温泉の存在が知られていた松崎町の大沢温泉。この地の名主であった依田家は地域の産業と教育に大いに寄与しました。その旧依田家の敷地で日帰り温泉を営業する「依田の庄」には、庄屋の湯と橘の湯という二つの浴室があり一週間交代で男女を入れ替えます。
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露天風呂のある橘の湯は良い雰囲気。一方、庄屋の湯は吹き抜けの広い浴室に風格を感じます。
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泉質は弱アルカリ性の単純泉。昔から「化粧の湯」「美人の湯」と言い伝えられてきたお湯で、入浴中はとろとろとした手触りが楽しめ、湯上りは肌がつるつると生まれ変わったよう。
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そうそう「依田の庄」に来たら。ぜひ隣接する旧依田邸の見学もしていきましょう。なまこ壁の蔵などが当時の面影をしのばせます。見学は無料です。
ONSEN 05 堂ヶ島温泉
堂ヶ島ホテル 天遊
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トンボロ現象が見られる景勝地・堂ヶ島には11軒ほどの温泉宿がありますが、その多くで海を見ながらの入浴が楽しめます。中でも私たちが立ち寄った「堂ヶ島ホテル 天遊」には、トンボロ(砂州)で繋がる三四郎島がほぼ真正面に見える絶景露天風呂が!
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泉質はカルシウム・ナトリウム―硫酸塩泉。内湯のドアから出て階段を下りていくと、思わず息をのむような景色。これが掛け流しの湯船の中から楽しめるのですから、なんとも贅沢というものです。
沢田公園露天風呂
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そろそろ夕陽の時間。日没に合わせてぜひとも入りたい露天風呂が西伊豆にありました。それが「沢田公園露天風呂」。
西伊豆町の町営日帰り温泉で、海に向けて男女別の露天風呂があるだけですが、その露天風呂が本当に素晴らしい景色なのです。脱衣所のドアを開けるといきなり露天風呂と海!
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※取材のため特別にタオルを巻いて男湯で撮影しています
そしてこの日は、晴れて雲がないのに空が真っ赤に染まるという奇跡のような夕景が見られました。
ONSEN 06 竹倉温泉
みなくち荘
最後に伊豆の玄関口でもある三島の知られざる名湯をご紹介します。以前は3軒の宿があった竹倉温泉は、現在「みなくち荘」一軒が日帰り温泉として営業しているのみ。
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お風呂は内湯のみ。わざわざ遠方から入りに来るお客さんも多いと言う濁り湯は、しみじみとよく温まります。鄙びた風情と合わせて楽しみたい温泉です。
東海岸の温泉も別記事で紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
ライター
泉 よしか
温泉ソムリエマスター、温泉観光実践士
温泉を中心に女子目線でおすすめスポットを紹介いたします。キレイ系温泉から歴史ある温泉街、マニアックな秘湯まで守備範囲。いろいろな人に来てほしいと思っている温泉と、次のお休みでどこに行こうか迷っている旅行者を結びたい。あなたの旅のきっかけになれますように。
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